「流れ橋」(木橋)の修理・補修現場見学記
2014/04/10
少し遅くなりましたが、平成25年9月の台風18号で流れてしまった、京都府八幡市にある木橋『流れ橋』(通称、正式名は上津屋(こうづや)橋、木津川水系に架かる府道の一部)の修理・補修現場の見学記を紹介します。
(流失後の11月下旬と修理・補修工事中の3月上旬に見学)
流失した「流れ橋」 (全景、H25.11下旬)_
通称『流れ橋』と言われているので、大水の際には流れても仕方がないのですが、前回の修理からあまり時間がたっていなかったので、少し問題になったとのことでした。(平成25年4月の改修後、5ヶ月で再度流出。2011年から3年連続の流失。1953年の建設後、20回目の流失。)
「流れ橋」に橋桁・橋板がないところ (H25.11下旬)
「流れ橋」は全長356.5m、幅3.3mの日本最長級の木製(木造)橋で、74基の橋脚に橋桁・橋板がワーヤーで結び付けられ、流されてもたぐり寄せれば復旧できる仕組みになっているそうです。(現在は、橋桁・橋板をワーヤーで結束しユニット化しています)。
架設当時は、水害に耐える頑丈な橋を造る費用がなく、川が増水して水位が橋桁の高さを越えると、橋脚に載った橋桁と橋板が流れるが、水が引いた後に回収・再利用できる仕組みが採用されたそうです。
(間伐材マイスターの地元でも、戦前までは橋桁・橋板が流されると下流まで探しに行っていた橋があるそうです。)
また、数々の時代劇のロケ地ともなっており、観光名所としても有名なので、早期の復旧が待たれていました。
木橋の下流に流された「橋板・橋桁」のユニット (H25.11下旬)
11月下旬に行った時には、ワイヤーロープで繋がれた木の橋桁・橋板がブロック毎に川岸に散在していました。橋脚の傷みが激しい部分もあり、取り替え工事がどのように行われるのか修理時に再度見学しようと思いました。
「流れ橋」の修復工事の様子 (全体、H26.3初旬)
3月初旬に補修工事の様子を見学に行った際には、流された橋桁・橋板を引き戻して、傷んだ部分の補修を、また、取り替えが必要な橋桁・橋板の組立や、橋脚の取り替え部材への塗布作業を行っており、こんな風に修理するのか……と思ったところです。
「流れ橋」の修復工事の様子(橋桁・橋板の修理、H26.3初旬)
補修工事の完成後にもう一度行きたいと思ったところです。
『木の文化』, その他
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