『栗材・名栗加工』の老舗見学
2013/07/3
先のブログで、「栗の焼き杭の耐久性」について紹介しましたが、大阪の知り合いの材木店で、「栗材・名栗加工」の老舗材木店を見学しました。
大阪・橘商店 (栗材・栗名栗の独自の路線で販路拡大中)
ある建築系の勉強会で、同材木店の若手社長とご一緒しており、見学の機会を得ました。
材木店では、会長(社長の父)の「名栗加工」の様子を見学しましたが、年季の入った加工風景に「職人の技」を感じました。
会長(社長の父)の名栗加工風景 (後方から)
名栗(なぐり)とは、角材や板に「突き鑿(のみ)」や「ちょうな」、「与岐」などで独特の削り痕を残す日本古来からの加工技術のことです。
会長(社長の父)の名栗加工風景 (前方から)
日本建築において門扉等の門材や垣、濡縁、腰板などに使われ、特に数寄屋建築においては欠かせない存在であったそうで、京都や奈良の邸宅の玄関先等で見ることが多くあります。
名栗加工の外構枠 (作業場にあった展示品)
現在では、洋風建築においても、ルーバーや棟木、廻縁、階段格子などにも取り入れられることが多くなるそうで、「一品もの」で出荷することも多くなっているとのことでした。
「名栗加工品」の一点物の使用事例 (設計事務所内の内装)
「栗材」や「名栗加工」を行う材木店は、以前は大阪府内にも数軒あったとのことですが、現在では1軒のみになってしまったとのことですが、「生き残り」をかけて独自の取り組みをされている点に注目しています。
「橘商店」 豊富な栗材の在庫