「足場丸太の使い方」……『太足場編』
2013/03/23
「足場丸太の使い方」を数回掲載しましたが、ちょっと太めの『太足場』についても紹介します。
4トン車に乗せた「太足場」
建築現場等で使われる普通の「足場丸太」は、長さ6m(20尺)、元口直径10cm程度、末口5cm程度の杉・桧材が標準サイズですが、「太足場」と呼ばれる、より長尺で、直径の太い足場材が使われるシーンもあります。
平等院鳳凰堂で組み上げられた「太足場」
先に紹介した平等院鳳凰堂の素屋根工事でも、木製電柱を思わせるような「太足場」が構造材(骨組み)として多用されていました。(大規模な工事になると普通の足場丸太だけでは骨組みができないそうです。)
平等院鳳凰堂の修復工事現場に搬入されていた「太足場」
その他に「太足場」の使われ方として、神社仏閣の庭見学時に見かける「植木支柱」です。
大径の古木や「しだれ桜」のような植木の場合は、長尺物の太足場の支柱が使われていることが多く、弊社でも造園業者向けに「太足場」を販売することがあります。
「しだれ桜」に添えられた「植木支柱」 (花が咲いた時も見てみたい)
また、稀有な使われ方として見つけたのが、京都の上賀茂神社で見つけた「すぐき漬け」用の太足場(丸太棒)です。漬物では通常、重し石で重しをかけますが、「すぐき漬け」の場合は独特の「天秤押し」という方法で、長さ4~5mほどの丸太棒の一方を固定させ、もう一方の先に重石を下げて樽のフタを押さえる、「てこの原理」を利用した方法で行います。「こんな使い方もあるのか……」と、多様な用途に驚いたところです。
上賀茂神社の境内に奉納されていた「すぐき漬け」の漬け樽
「足場丸太」に適した「小径木」が少なくなる中、「中径木」の用途として「太足場」にも取り組みたいと思うところですが、4トントラックでの輸送には難があるので、解決すべき課題も多そうです。
4トン車に乗せた「太足場」 (輸送は大変です)
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