「世界文化遺産・国宝」と『足場丸太』
2012/10/22
世界遺産・姫路城の「平成の大天守保存修理工事」現場は見ごたえのある見学でした。
しかし、少し残念に思い、また時代の衰勢を感じることもありました。
「姫路城大天守保存修理事業」の現場 大天守・7層目の様子
現在行われている「姫路城大天守保存修理事業」では、大天守に鉄骨の大屋根をかけていますが、その中で使われている足場も鉄パイプが中心で、ビルの中の補修工事のような雰囲気も感じられました。
姫路城の櫓の補修現場 こちらでも鉄パイプの足場が組まれていました (少し悲しい……)
「昭和の大修理」と言われた前回の修理現場の写真を見ると、巨大な修理屋根は木製足場丸太を組み上げたものでした。
(当然ながらそれ以前の修理や建築時は、木製の足場丸太しかありませんでした。)
姫路城の「昭和の大修理」時の模型 (7層の天守を木製足場を組み上げた大屋根で覆っていた)
大規模ビルにも匹敵する巨大な建造物なので、鉄骨の屋根が組まれるのは当然だと思いますが、「お城に直接あたる部分は、木製足場だったらなあ……」と思うところです。
姫路城「昭和の大修理」時 大天守を覆う大屋根に4万本の足場丸太が使われたとの記述
姫路城「昭和の大修理」時 足場丸太が組まれた中で『左官作業』を行っているところ
「世界遺産」や「国宝」が多数ある京都では、社寺・文化財の改修工事用の仮設材として、木製の足場丸太(丸太足場)を使うケースがまだまだあるようです。
弊社も、現在改修工事を行っている清水寺や平等院鳳凰堂の改修工事現場に、直接若しくは間接的に足場丸太(丸太足場)を納入しています。
修理用・木製足場が屋根の部分まで組み上がった「国宝・平等院鳳凰堂」(H24.09.22見学時)
間伐材の有効利用策にも役立つ「足場丸太」(丸太足場)が、文化財修復用に見直されることと望んでいます。
『丸柱・円柱巡礼』, 『木の文化』, その他
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