大切にしたい『文化財保存技術』の伝承
2012/10/21
「大切にしたい建築技術-『左官編』」の続編です。
現在、「姫路城大天守保存修理事業」が行われている「姫路城」の周辺で、文化庁のイベント『文化財保存技術2012』が開催されていましたので、見学に行って来ました。(10月13日~14日)
文化庁イベント「文化財保存技術2012」 (姫路城・大天守保存修理事業に合わせて開催)
世界遺産『姫路城・大天守』の保存修理工事は、昭和の大修理から45年が経過し、傷みが目立つ漆喰や瓦などの修理を中心に行っています。これらの工事には、国内一流(もしかしたら「世界一流」)の「職人」(技術者)が従事しています。
お城の鯱(しゃちほこ)を展示した伝統瓦のコーナー
イベント会場では、お城の象徴である「鯱(しゃちほこ)」等の「瓦」技術や、社寺の土壁塗りを行う左官技術、檜皮葺・杮(こけら)葺き技術等、見る機会が少ない技術に関する展示が多く行われていました。
「文化財保存技術2012」での檜皮葺(ひわだぶき)の実演コーナー
加えて、会場内では、文化庁より「選定保存技術・保持者」に選定された職人が多数見受けられました。
前出の「左官技術」でも「選定保存技術保持者」に選定されている佐藤治男氏(宇治・平等院鳳凰堂修理に従事)や現在行われている姫路城の修理事業で活躍する柴田正樹氏にもお会いする機会に恵まれました。
左官の技術を紹介する「全国文化財壁技術保存会」のコーナー (背中は会長の佐藤治男氏)
会場では、数多くの文化財保存に係る技術を見学することができましたが、これらの技術が末永く伝承されることを望みます。
次は、「姫路城大天守保存修理事業」が行われている姫路城の見学記をお届けします。
「大天守・保存修理事業」で大屋根に覆われた姫路城 (遠景)
修理中で大屋根をかぶった姫路城にかわり「お菓子の姫路城」