大切にしたい職人技術 『左官』
2012/10/16
「木は宝」・「職人は宝物」、創業者である父が口癖に言う言葉です。
「左官」の実演 (遠景)
数寄屋建築や入母屋造りのガッシリとした家屋が建たなくなり、『棟梁』と呼ばれるような「建築大工・職人」が少なくなっていることを寂しく思っています。それ以上に「職人」が少なくなっているのが、土壁を塗ったり、土間打ちを行う『左官職人』だと思われます。
「左官」の実演 (遠景)
秋祭り見学が一段落した先日、親子・兄弟で左官職人である『左官屋さん』の話を聞き、その実演を見る機会に巡りあいました。
創業は江戸時代の初期以前という京都の左官職人で、歴代男兄弟のほとんどが左官職人だという老舗なので、さどや肩苦しい話をされることだろうと思っていたら、「左官技術を伝承したい」思いを厚っぽく語って戴きました。
「左官の実演」 (親父の前で緊張して作業中)
加えて、現在の兄弟は左官職人だけでなく、大工職人に一級建築士と兄弟で家が建てられる体制を構築しているとのこと、この一家のたくましさを感じました。
さて、左官技術の解説に続いて、実演を見学しましたが、長男が塗り上げた壁を親父が修正仕上げする様子は、「まだまだ息子には任せられない……」という職人気質も大いに感じました。
「左官の実演」 (最後は親父が仕上げ)
加えて、愛用の「左官道具」を見せて戴きました。道具の中には昭和初期からの物もあるとのことで、職人の道具を大切にする姿を強く感じました。
「左官職人の宝物」 (左官道具)
「職人技術」が衰退の一途をたどっていますが、昔ながらの建築方法を継承する「大工・左官」技術がいつまでも伝承さるつことを願っています。
次回は、「究極の職人技術」が求められる現場の取材記を掲載しますので、ご期待下さい。