『丸柱・円柱巡礼』第1号 『東大寺・南大門』
2012/04/8
間伐材マイスターの『丸柱・円柱巡礼』シリーズの第1号は、「東大寺・南大門」からスタートします。 同シリーズの開始に相応しい建物だと思います。
『丸柱・円柱巡礼」第1号 「東大寺・南大門」全景
東大寺・南大門といえば、門南面左右にある木造金剛力士像(運慶・快慶による阿吽の仁王像)が有名ですが、間伐材マイスターの視点からは、門全体とそれをささえる丸柱(円柱)の「凄味」でしょうか?
門全体は、幅29m、高さ25mで、日本最大の山門です。現在のものは鎌倉時代に再建されたもので、大仏様・天竺様式を伝える数少ない建造物のひとつだそうです。
「東大寺・南大門」のヒノキの大柱(丸柱・円柱) 直径1m×高さ21mの柱が18本あります
また、門全体を支える丸柱(円柱)は、足元直径約1m(上部で85cm程度)で、長さは屋根裏まで達する21mのもので、合計18本が使われています。(前列に6本で、真ん中と後列の3列で18本)
柱の上部には深い屋根を支える肘木という大仏様特有な組み物が水平に迫り出し、その先端を門の間口一杯に繋ぎの貫きが何本も横に走りながら、屋根裏まで重層しています。
「東大寺・南大門」の丸柱(円柱)の上部 屋根を支える肘木が6重に入っています
これらの丸柱(円柱)は、樹齢約800年のヒノキの木で、地元奈良県では手に入らず、遠く山口県から切り出されて東大寺まで運ばれてきたものだそうです。
直径約1m、長さ21mの杉の丸柱を見るにつけ、昔だからこそ「木材料」があったのだろうな……と思いながら、建築時の様子を想像しながら、見上げました。
「東大寺・南大門」 明治の修理時に、丸柱(円柱)の腐れ部分に埋め木が施されています
足元部分は長年の風雨の影響で少し腐れたのか、明治時代の修理時に埋め木がされていますが、これも木だからこそ、成せる技といったところでしょうか?